「生理前になると頭痛がひどくなる」「毎月決まった時期に偏頭痛が起こる」という経験はありませんか?
実は、このような頭痛には女性ホルモン(エストロゲン)の変動が深く関係しています。
〇エストロゲンは痛みをコントロールしている
エストロゲンは妊娠や月経だけでなく、脳や神経、血管にも大きな影響を与えています。
特に重要なのが、痛みを調整する働きです。
エストロゲンには、脳内で「セロトニン」という神経伝達物質の働きをサポートする役割があります。セロトニンは、痛みを抑えたり、気分を安定させたり、血管の働きを整えたりする重要な物質です。
また、頭の感覚を伝える三叉神経の興奮を抑え、痛みが過剰に伝わらないよう調整する働きもあります。
〇なぜ生理前に頭痛が起こるの?
生理前になると、エストロゲンは短期間で大きく低下します。
この急激な変化によって、痛みを抑える仕組みが弱くなります。
まず、セロトニンの働きが低下し、脳が痛みを感じやすい状態になります。
さらに三叉神経が刺激に敏感になり、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」という物質が放出されます。
CGRPには血管を拡張させたり、炎症を起こした利する作用があり、この反応がズキズキと脈打つような偏頭痛につながると考えられています。
現在では、「血管が広がること」だけが原因ではなく、神経の興奮と炎症が偏頭痛の中心的なメカニズムであることがわかってきています。
〇女性に偏頭痛が多い理由
女性は月経・排卵・妊娠・出産・更年期など、一生を通してエストロゲンが大きく変動します。
そのため、痛みを調整する脳や神経の働きも影響を受けやすく、偏頭痛は男性よりも約3倍多いと報告されています。
特に生理前や更年期はホルモンバランスが大きく変化するため、頭痛が起こりやすい時期といえます。
〇日常生活でできる対策
ホルモンの変化そのものを止めることはできあませんが、頭痛を起こしにくい身体づくりは可能出す。
・十分な睡眠をとる
・食事を抜かず血糖値を安定させる
・軽いウォーキングやストレッチを習慣にする
・ストレスを溜めこまない
・水分をしっかりとる
・頭痛が起こる時期を記録し、自分のパターンを知る
これらを続けることで、頭痛の頻や強さが軽減する場合があります。
〇まとめ
エストロゲンは、痛みを抑える神経伝達物質を支え、神経の興奮や炎症を調整する重要なホルモンです。
しかし、生理前などでエストロゲンが急激に低下すると、痛みを抑える力が弱まり、神経が敏感になることで偏頭痛が起こりやすくなります。
毎月繰り返す頭痛は、「体質だから」とあきらめる必要はありません。
ホルモンの働きを理解し、生活習慣を整えながら適切なケアを行うことが、頭痛の改善をつながる第一歩になります。

