腹横筋と腰痛の関係「天然のコルセット」が腰を守る

「腹筋を鍛えていれば腰痛は良くなる」と聞いたことがありませんか?

実は、腰痛予防や改善で重要なのは、お腹の表面にある腹直筋(シックスパック)ではなく、お腹の一番深い場所にある腹横筋です。

〇腹横筋の役割とは?

腹横筋は、お腹をぐるりとベルトのように囲んでいる筋肉です。

主な働きは次の4つです。

・腹圧(お腹の内側の圧力)を高める

・腰椎や骨盤を安定させる

・身体を動かす前に体幹を支える

・呼吸、特に息を吐く動作をサポートする

物を持ち上げたり、歩いたり、立ち上がったりするときには、腹横筋が自然に働いて腰を支えています。

〇腹横筋が弱くなると腰痛になりやすい理由

腹横筋が十分に働かないと、お腹の内側から腰を支える力が弱くなります。

すると腰椎が不安定になり、そのグラつきを補おうとして、脊柱起立筋や腰方形筋などのアウターマッスルが過剰に働きます。

その状態が続くと筋肉は疲労し、張りや痛みが出やすくなります。また、椎間板や椎間関節にも負担がかかり、慢性的な腰痛へとつながることがあります。

さらに、腰だけでなく股関節や骨盤の動きにも影響し、姿勢の崩れや反り腰、猫背の原因になることもあります。

〇慢性腰痛の人に見られる特徴

研究では、慢性腰痛のある人は腹横筋が働くタイミングが遅れる傾向があることが報告されています。

本来は腕や足を動かす直前に腹横筋が働き、腰を安定させます。

しかし、腰痛が続く人ではこのタイミングが遅れ、腰が不安定なまま動作を始めるため、毎日の動作ですこしずつ腰への負担が蓄積してしまいます。

つまり、筋力だけではなく、「適切なタイミングで働くこと」も重要なのです。

〇腹横筋を働かせるには?

腹横筋は激しい筋トレよりも、正しく動かす練習が効果的です。

おすすめは、以下のような運動です。

・腹式呼吸

・ドローイン

・バードドッグ

・プランク

特に呼吸はとても重要です。

腹横筋は横隔膜や骨盤底筋、多裂筋と協力して働き、体幹全体を安定させています。

〇まとめ

腰痛は「腰だけ」の問題ではありません。

腰を内側から支える腹横筋が十分に働かないと、腰椎が不安定になり、筋肉や関節、椎間板の負担が増えてしまいます。

腹横筋は腰を守るための天然のコルセットです。

腹筋運動をたくさん行うことによりも、呼吸や姿勢を見直し、腹横筋を正しく働かせることが腰痛改善への第一歩です。

慢性的な腰痛でお悩みの方は、腰痛だけでなく、体幹の安定性にも目を向けてみましょう。

それが再発しにくい身体づくりにつながります。

慢性腰痛について